しかし、有料老人ホームでの看護師の働き方・業務役割は、現役の看護師たちの間でさえ、知られていない部分があります。
その実際について、看護スタッフの横倉奈央(ヨコクラナオ)さんに語っていただきました。
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●日々の業務とターミナルケアについて
—具体的な仕事としては、毎日どういったことをしていますか?
バイタル測定、お風呂に入って良いか悪いかの判断や、体調に応じた病院受診の手配、服薬管理です。
あとは随時、なにか突発的なことがあった際の対応ですね。
このハウスでは、看護師は夜勤がないので、なにかあった場合は、まず電話での対応となります。
—病気、たとえば末期ガンなどで、治療のために病院へ入院されたようなご入居者が、ハウスに戻られることはあるのでしょうか?
あります。みなさんハウスに戻りたいとおっしゃいますね。
—病院ではなく、ハウスで最期を迎えたいという要望には、どう対応していますか?
ご家族を含め、ご本人が希望される場合、ターミナル(終末期)での対応 ※注2 を行う方向で、ハウス内で看取りが行える体制を考えていきます。その方の最期の安心をサポートしていくためには、スタッフとともにご家族のご協力も必要となります。医師はもちろんのこと、ご入居者・ご家族・スタッフ、みんなで頑張って、最期まで看取れるよう、実際の対応について、話し合いを繰り返し行っていきます。
ターミナルでの対応は、今も日々、検討を重ねています。
—ターミナルケアの場合、看護師とその他のハウススタッフとの連携もより重要になってくるのでは?
やはり、医療補助、あるいは医療に基づく考え方など、介護スタッフにも知ってもらう必要のあることが、出てきます。その対応のために、何度もミーティングを行っています。
具体的な対応の方針については、看護師と介護リーダー、生活相談員とで、通常の定例で月に2回くらい、ターミナルケアでは体調や状況が動くごとに都度、毎日のように話し合いを行います。その場で話しあったことを、今度は介護リーダーがスタッフたちをまとめて話しあい、実際の対応体制を整えていくことになります。
看護師としては、介護スタッフが不安に思うことなどを聞いて答えたり、資料を作成して渡したりとサポートしていきます。あとは介護スタッフと医師との橋渡し役をすることもあります。
あくまで家族とご本人の気持ち、それから「どういう介護がベストか」という介護スタッフの考えを聞いた上で、どう援助すればいいか、を考えます。

●仕事の幅・特徴について
—お話を聞いていると、本当に仕事の幅が広いですね。
そうですね。仕事の幅が広すぎて、周囲の方や、新規に入社した看護師にしてみれば、一見何をしているのか、役割がわかりづらいということは、あるかもしれません。
思っていたのと違う、とやめていく方もいますので。
—そういった方たちの「思っていた」とは、どこが違ったんでしょうか?
推測にはなりますが、募集要項の中に書かれた「健康相談」のニュアンスを、文字通りの意味で受け取られていたのかもしれません。
医務室のデスクへ座っていると入居者が相談に来る、というような健康相談をイメージしていると、実際とはズレてしまいます。実際のハウスでの仕事内容は、待っているだけの健康相談にはとどまりません。
ハウスは、皆で一緒に生活をする場です。ご入居者にとって、自分にとっての生活の場。日頃のご入居者の様子を見つづけて、ちょっとした変化を察知して、こちらから声をかけていったり、介護スタッフと相談して対応していくことも多いです。
—確かに健康相談という言葉で、そこまで広い内容は想像できなかったかもしれません。
やりがいがある仕事なので、「もっと仕事をしたい」と考えている方にはあっていると思います。
看護師として思い切り働きたい方は、老人ホームを含めた高齢者向け施設へはあまりいかない傾向がありますが、実際の仕事でいえば、ここは全然違う。日常からご入居者を見て、入居者の人生をまるごと受けとめ、向き合っていく、そんな風にやりがいを持って働ける場所なんです。そのあたりをわかってもらえたらと思います。
—求職中の看護師の中には、出産や子育てなど、様々な事情で仕事を離れていた方もいるかと思います。看護師としてのブランクは、ハウスで働く上でハンディキャップになるでしょうか?
あまり関係ありません。
病院の場合、ブランクがあると、慣れの問題で機械に触れられなくなってしまう。操作自体がこわくなってしまう。私も何年か離れただけで、今やれとなったら、もうこわいですね。
ここではそのような技術的な不安はありません。
積み重ねがものをいいます。
逆に、子育ての経験からお姑さんとのやりとりまで、日常の家事・生活で体験したすべてを、この職場ではそのまま生かすことができる。そういうところがあると思います。
病院勤務と比べれば、働き方としては、訪問看護の看護師と、重なる部分があるようです。
—看護師が、積極的にご入居者の側へ入っていく感じでしょうか?
そうですね。病院では治療が済めば退院されますが、ハウスでは、私たちが責任をもってご入居者の一生に関わっていくこととなります。このあたりは、介護スタッフ、看護師、ケアマネジャーなど、職種が違ってもハウスで働く上では共通する部分です。※注3
※ 注3 ハウスで働くスタッフについては、「私たちの仕事」をご参照ください。
(要・Flashプラグイン)私たちの仕事
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